ドラマ『シャーロック』の会話について2
いつもありがとうございます。次の会話は『シャーロック』シーズン1第1話「ピンク色の研究」からの引用となります。
スタンフォード:What about you? Just staying in town till you get yourself sorted?
ジョン:I can't afford London on an Army pension.
スタンフォード:And you couldn't bear to be anywhere else. That's not the John Watson I know.
ジョン:Yeah, I'm not the John Watson.
スタンフォード:Couldn't Harry help?
ジョン:Yeah, like that's gonna happen.
スタンフォード:I don't know, get a flat share or something?
ジョン:Come on, who'd want me for a flatmate?
That's not the John Watson I know の That は 直前の2文(ジョン:I can't afford London on an Army pension. スタンフォード:And you couldn't bear to be anywhere else. )で表されているジレンマ的な状況を受けて、「そんなの俺が知ってるジョンワトソンじゃない」と言っているのでしょうか?
また Yeah, I'm not the John Watson の Yeah は 否定文に対して「その通りだ」と同意する場合、 No の方が文法的なのではないかと思ったのですが、ここではなぜ Yeah が使われているのでしょうか。
それと、Yeah, like that's gonna happen は、 Yeah の意味も、like that's gonna happen の that が何を指していて、likeの前には何が省略されていて、どういう意味になるのかもよくわかりませんでした。
また最後のforはasのような意味ですか?
お手数ですが教えていただけると大変助かります。
回答
※続きです。
3. Yeah, like that’s gonna happen.
確かに、このセリフは少しややこしいので、細かく見てみます。
(1) 直訳すると
「like」 はこの文脈では「〜みたいに」と訳すよりも、皮肉・ツッコミの導入として機能しています。
「as if」 と同じ用法で、イギリスでもアメリカでもくだけた言い方です。
つまり、
「Yeah, like that’s gonna happen.」
≒ 「Yeah, as if that’s going to happen.」
≒ 「ああ、まるでそれが起こるみたいに言うけど、そんなわけないだろ。」
= 「そんなこと起きるわけないだろ。」みたいなニュアンスです。
(2) that が指しているもの
> Couldn’t Harry help?
「ハリー(ジョンの姉)は助けてくれないのか?」
というセリフをうけて、
「that」 = 「Harry helping me(ハリーが俺を助けること)」 を指しています。
(3) Yeahはなに?
ここでも 「Yeah」 は返事ではなく、皮肉の前置きの感じです。
> Yeah, (right,) like that’s gonna happen.
→ 「ああそうだな、そんなこと起きるわけないってね。」
要するに、
「ああ、助けてくれるわけないだろ(冗談じゃない)」
みたいな感じです。
4.Who’d want me for a flatmate? の for
この for は「~として」の意味で、おっしゃる通り、as とほぼ同義です。
> Who’d want me for a flatmate?
= Who’d want me as a flatmate?
「誰が俺なんかをルームメイトにしたいと思うんだ?」
なぜ「for」が使われているかというと、forの方がasよりも少し口語的で、柔らかい感じです。
イギリス英語ではこの使い方はとても自然ですね。
※ながくなってしまいそうなので2回にわけます。
1.That’s not the John Watson I know. の That
おっしゃる通り、この That は、単独の行動や文ひとつではなく、「前のやり取り全体(ジョンの現状=ジレンマ)」をまとめて指しています。
つまり、
> I can't afford London on an Army pension.
「軍人年金じゃロンドンには住めないんだ。」
> And you couldn’t bear to be anywhere else.
「でも、ロンドン以外にはいたくないんだろ。」
→ この二つを受けて、
> That’s not the John Watson I know.
「そんなの、俺の知ってるジョン・ワトソンじゃない。」
となります。
2. Yeah, I'm not the John Watson. の Yeah
英語では「否定文への同意」のとき、文法的には 「No」 が正解になることが多いです。
ただし、口語では、「Yeah」も感情的な相づち・皮肉・自嘲として使われます。
ここでの 「Yeah」 は、文法的な 「yes/no」 ではなく、「ああ、そうだよな」的な感嘆のイントネーションです。
つまり、
> That’s not the John Watson I know.
「俺の知ってるジョン・ワトソンじゃないな。」
> Yeah, I'm not the John Watson.
「ああ、もう昔の俺じゃないんだよ。」
という自己認め+自嘲のトーンです。
なので、「Yeah」 は 「Yes」 の意味というより、
「まったくその通りさ」「そういうことだ」といった感情の相づちです。
