最上級

▼「the」は【名詞を特定】するための語
冠詞 the はもともと、「その〜」「特定の〜」という意味をもつ限定詞です。
形容詞の最上級では、後ろに「名詞」があるので必要になります。

　the tallest boy（最も背の高い少年）
　the biggest building（一番大きな建物）

一方、副詞は名詞を修飾しません。
副詞は動詞や形容詞を修飾するので、「the」で特定する対象がないのです。

　John runs fastest.
　→ 「ジョンは一番速く走る。」（名詞を修飾していない）
だから、副詞では the がよく省かれるのです。


▼実際の使い分けのニュアンス
「theがない場合」動作の比較を客観的に述べる（口語的・自然）
　John can run fastest of the three.
　→ 単に「3人の中で一番速く走れる」という事実。

「theがある場合」やや強調・文語的
　John can run the fastest of the three.
　→ 「（3人の中で）最も速く走れるのはジョンだ」と特定するニュアンス

つまり、どちらも文法的にはOKですが、「the」を省いた方が自然です。

▼副詞の見分け方
（慣れるまでは難しいかもですが）何を修飾しているかで判断するのが一般的です。

・形容詞は、名詞を修飾
　He is fast.（形容詞）
・副詞は「動詞・形容詞・他の副詞・文全体」などを就職
　He runs fast.（副詞）

→ 「fast」がどこにかかっているかで判断できます。
　名詞を説明していれば形容詞、動詞を説明していれば副詞です。