this と that について を英語に訳すと?
いつもありがとうございます。『シャーロック』のセリフのthisとthatについてわからないことがあったので教えていただきたいです。
(シーズン1第1話「ピンク色の研究」で、シャーロックが一人で出かけてしまい、ジョンとレストラード
が困惑するシーン)
レストラード:Why did he do that? Why did he have to leave?
ジョン:You know him better than I do.
レストラード:I've known him for five years, and no, I don't.
no, I don't は no, I don't know him better than you do.から省略が起きた結果でしょうか?また that は「シャーロックの直前の行動」を指しているように思うのですが、that は「少し前に起きたこと」this は「これからやること」を指すことができますか?
this に関しては、シーズン4第3話「最後の問題」の this が「これからやること」を指しているように感じました。(妹の指示で、シャーロックが、ジョンかマイクロフトのどちらかを撃たなければならなくなったシーンです。マイクロフトがジョンを殺すべき理由を説明した後、シャーロックが次のように言い、言い終わると同時に銃をマイクロフトに向けて構えます)
Ignore everything he just said, he's being kind. He's trying to make it easy for me to kill him. Which is why this is going to be so much harder.
文法的には this は for me to kill him を指すことも可能なのでしょうか?しかし、セリフを言い終わると同時に銃を構えたので、「これからやること=マイクロフトを撃つこと」を指しているのではないかと思いました。
お手数ですが教えていただけるととても助かります。
回答
6.
>Since this is likely to be the last conversation I'll have with John Watson, would you mind if we took a moment?
→
このセリフの this も、「これから行う会話=今から始めようとしている会話」を指しています。
the last conversation I'll have with John Watson の中の conversation(会話) が中心名詞なので、this はその 「conversation」 を指す代名詞です。
つまり直訳すると、
「この会話(=これから行う会話)は、おそらくジョン・ワトソンと交わす最後のものになりそうなので」
という構造になります。
※「これから行う会話」を指す理由(文脈上)
・この場面では、まだ「会話」は始まっていません。
シャーロックは今まさにジョンと話を始める前にマイクロフトに断りを入れている段階です。
・「this conversation」 が「今まさに始めようとしているもの」を示している。
つまり、「this」 は時間的にこれから発生する出来事を指しています。
・「今まさに目の前にある・これから起こる出来事」を指すのは this の典型的な用法。
同じ文を Since that is likely to be the last conversation... にすると、すでに終わった過去の会話を回想しているニュアンスになってしまいます。
1.「no, I don't」について
レストラードの元のやり取りを簡単に整理すると。
> John: You know him better than I do.
> Lestrade: I've known him for five years, and no, I don't.
→
この no, I don't は 省略による応答 で、文脈から補える部分が省かれています。
おっしゃる通り、文章を補完するなら、例えば、
> No — I don't know him better than you do.
(いいや、君ほど彼をよく知らない、という君の言い方は違う)
とか、
> No — I don't know him (that well).
(いいや、(そんなに)彼を知らない)
みたいになるのかなと思います。
この場合、Lestrade は John の「君の方が彼をよく知っている」という主張を否定していて、
「know him better than you do」 を否定する省略と考えるのが自然ですね。
2.that / this の時間的・指示的な違い(一般論)
・that:話し手から少し距離のある事柄(先に起きた出来事、既出の発話)を指すことが多い。過去の行動や先ほどの出来事を振り返る指示詞として使われやすい。
・this:話し手と聞き手にとって「近い」事柄(今まさに起ころうとしていること/直前に言ったこと/話の焦点)を指すことが多い。身振りや直後の動作と結びつくと、直前・直後の行為を強く示す。
ですが、厳密なルールはなく、「距離」の感覚は話者の心理的・物理的近さや発話のタイミングで変わります。
演技やジェスチャがあるシーンでは特に
・that = ちょっと前に起きたこと
・this = 今これからの行為/それに付随する状況
の区別が強調されることが多いです。
3.例:シーズン1の(Lestrade の 「Why did he do that?」 の that
> Lestrade:Why did he do that? Why did he have to leave?
→
ここでの that は明確に 「シャーロックがさっき一人で出て行った(=先ほど起きた行為)」 を指しています。
過去の具体的行動への言及なので that(距離がある指示)が自然です。
4.シーズン4のい「Which is why this is going to be so much harder.」
> He's trying to make it easy for me to kill him. Which is why this is going to be so much harder.
→
この this の指示対象は、文脈と演技(銃を構える動作)で解釈が分かれますが、両方成立します
文法的には・・・
this は先行する内容をまとめて指せます。
つまり for me to kill him のような「従属節(自分が彼を殺すという行為)」を指すことは 可能です。
= Which is why killing him / the act of killing him is going to be so much harder.
演出的には・・・
シャーロックが言い終わった瞬間に銃を構えるので、
聞き手には 「これからやろうとしている(=今まさに行おうとする)行為」 を指しているように受け取れます。
つまり this = the imminent act of killing (or having to choose to shoot) という 近接的・実行直前の行為 を指す読みが非常に自然です。
結論としては、
・文法的には both(先行節=for me to kill him) を指すことも可能で、
・かつ 演出上は「これから行う(または直面する)行為」を指す と解釈するのが最も適切かと思います。
すみません、新たに気づいたのですが、シーズン3第3話「大いなるゲーム」でシャーロックがマイクロフトに向けて言った次のセリフの this も、わたしには「これからすること」を受けているように見えました。
シャーロックが飛行機に乗せられ連行される際に、ジョンとメアリーがやってきて、メアリーと会話した後、次のように言いました。
Since this is likely to be the last conversation I'll have with John Watson, would you mind if we took a moment?
この this も「これからすること=今からする会話」を指しているのでしょうか?
