「青春は密そのものだった」 を英語に訳すと?
ある携帯電話会社の販売促進の一環で、ネットで高校卒業式の答辞のシーンになぞらえたスペシャルムービーが公開されました。答辞代表が、前半部で高校生活を振り返り、新型コロナの影響で「密閉・密集・密接」を避けなければならなかったことを述べています。
英文3
Our youth was the definition of avoiding the 3Cs’ situations in school lives.
※ The 3C means, “Closed spaces with poor ventilation, Crowded places with many people nearby and Close-contact setting such as close-range conversations.”
※ 「~のそのもの」(denition ofの部分)はある英会話表現のサイトに出ていたものを応用しました。
添削英訳しながらアドバイスいただけましたら幸いです。
回答
Kevin@MusicoLingo様、お忙しいところ、私の関連質問であったこの和文英訳についても閲覧し、貴重なアドバイスまで再びありがとうございます。
英語でエッセイを書く際は抽象から具体へという流れは重要ですが、Kevin@MusicoLingo様が指摘してくださったように、一文中に、抽象的事項=具体的事項で結ぶのは確かに無理ですね。良くわかりました。
添削してくださった英文ではdiscolor, blur, cloudなどの語を提案していただき、「青春(時代)」がコロナによりぼやけたものになってしまったことがこれでよくわかりました。
紹介していただいた例文と類語は早速、自分の英語ノートにメモさせて頂きました。またcompare apples and orangesは、最近Mom's apple pie (おふくろの味)を調べた際に、関連としてappleを使った熟語に、apples and oranges(水と油)というものがあることを知りました。そこで、今回紹介していただいたcompare apples and oranges(比べようもないものを無理に比べる)という熟語もさらに知ることができました。
最近、ちょっとした日本語を英語に訳すことを試みることを勉強の1つとしてよくするのですが、Kevin@MusicoLingo様がご指摘のように「文化の違い」を乗り越えて、日本語の内容を英語で英語圏の人々に理解してもらうことの難しさを感じています。
ちなみに、文化の違いと言えば、最近、日本に凱旋帰国した日本人大リーガーが
日本語で会見した内容で、「(今季印象に残った試合は特になく、14連敗もし、)あまり良くない方向[印象]に残る部分が多かった」I have a negative impression of this season.とある通信社が英訳し誤訳ではという騒動がありました。
今後、Kevin@MusicoLingo様がお手透きの時がありましたら、この質問についても閲覧頂き、「 」内の和文英訳をご教示頂き、さらにI have a negative impression of this season.の英訳は和文と比べて何が問題なのかご意見を示して頂けましたら幸いです。
ここで definition を使うのは合わないです。そのような三密の定義は、悲しすぎます。三密を避けることは具体的な行動指針であって、青春のような人生の一時期を意味するものではないからです。
「青春」という big word about life と、「3Cs」 のような specific instructions を結びつけるのは、難しいです。また、「青春」は高校卒業後も続きますから、過去形には出来ません。過去形にするなら、「高校のときの青春の日々」のように限定する必要があります。
Our youthful high school days were discolored by the the rules of avoiding 3Cs.
「discolored」は私の好みですが、他に
blurred
clouded
smeared
smudged
blemished
でもいいです。
Our youthful high school activities were circumscribed by the rules of Avoid 3Cs.
limited
restricted
constricted
上の例では「Avoid 3Cs」を固有名詞(名称)のように使っています。
ちなみに、アメリカで「3Cs」という言葉は普及しなかったので、上記の例をそのままアメリカ人に言っても「3Cs」が何なのか分かりません。お書きになっているような説明が必要です。
それにしても、「青春は三密そのもの」のという表現は、すごく日本的だと思います。日本語では、かなり柔軟な言葉の組み合わせや、省略が許容されるのかもしれません。
「青春」と「三密」は根本的に異なるので、こういうとき英語では、
You are comparing apples to oranges.
と言います。
それに、「三密そのもの」と言いながら、正確には三密の状況ではなくて、「三密を避けること」という行動を指しているのですよね(青春は三密を避けることそのものでした)。
そういう柔軟性は、良く言えば「自由」なのですが、悪く言えば「分かりにくい」です。
日本人の間では、多少分かりにくい言葉を使っても、「真意は、相手が考えて汲み取ってくれる」という期待があるのでしょうか。
多民族国家のアメリカでは、それは無理です。まず相手に誤解のないように伝えることが大切です。言葉を選ぶときには、「分かりやすさ、正確さ」を優先します。文学的要素、詩的要素は、その上に加味するものです。
文化的な違いを感じました。