翻訳において、原文にない補足情報を付加するか否かについて を英語に訳すと?
While AI systems can be beneficial, they can also have significant impacts on Canadians, especially marginalized communities.
上記の文はカナダ政府HPからのモノです。marginalized communities は直訳すれば「疎外された集団」ですが、これだけでは何を指すのか分からない場合もあると思います。原文の他の箇所で説明されることもありません。この場合、( 英語・仏語を母語としないエスニック集団や先住民族など)と補足を入れるべきでしょうか?入れないべきでしょうか?
※これは訳者が様々調べてそうではないか、と考えたものです。
また、補足を付けられるのは、紛れもない事実である場合にのみ、と考えた方が良いでしょうか?
どう考えるべきか悩んでいます。識者のアドバイスをお願いします。
回答
基本的に、翻訳者の言葉を訳文に加えることは許されません。それは、著者の文章を変更することになります。しかし、おっしゃるように、自分の訳文を読む人のために、説明を加えたいと思うことは、ときどきあります。
その場合、どうするのが良いかは、一つの正解があるわけではありません。その翻訳の依頼主に、意向を尋ねてみるのが一番です。中には「あなたの言葉を入れられては困る」と、はっきり断られることがあります。一方で、「読む人に分かりやすくなるなら、意味を変えない範囲で、あなたの言葉が入っても良い」とおっしゃる方もおられます。
依頼主から「翻訳者の説明を追加しても良い」と許可を得られたなら、普通の丸いカッコ (parentheses) ではなくて、鍵カッコ [square brackets] を使って、原文にはない言葉とハッキリ分かるように、私はしたことがあります。
和訳の場合
[訳者コメント:…………]
英訳の場合
[Translator’s note: …………]
私はプロの翻訳者ではありませんので、あくまでも個人的な意見です。一番大切なのは、依頼主とよく話し合うことだと思います。