回答
シャドーイングという学習技法の初期の目的は、内容理解よりも「継続的に耳から入ってくる英語を聞き続けながら、時差を置かず(ほぼ同時に)英語で口から出していく」ことに集中することで、聞き取りや発話を鍛えることにあります。発展していくと、通訳などの技量を向上させることにつながります。
シャドーイングに適した教材を使う方法もありますし、またはインターネットなどにアップされている朗読、スピーチ、ニュースなどのコンテンツ(音源や録画)を使う方法もあります。
英語の習熟度もよりますが、YouTubeなどで公開されているおとぎ話などで、ゆっくりめなスピードに語られているようなものを使う方法もあります。
慣れてくると、NHKニュースをバイリンガル設定で英語で聞きながらシャドーイングの練習として使うこともできます。聞き取りやすく正確な発音である上に、日本のニュースなので名前や内容に事前知識があり、シャドーイングに集中することができます。
シャドーイングの練習に使う音源は、朗読、スピーチ、ニュースなど、かたまった分量の発話が一方的にされているものが適しています。映画やドラマなどは会話が中心で、アクションや間があったりするので、シャドーイングの練習にはあまり向いていませんが、その役になりきったつもりでセリフをシャドーイングすることも、表現練習になります。
初期のシャドーイングのコツは、内容が少しわからなかったり、知らない単語などが出てきても、とにかく入ってくる音に集中してそれをとにかく真似しながら口で発音していくことに集中することです。持続的に練習していくと、その活動に慣れてきて、聞き取りや発話がしやすくなっていきます。また、音声で入ってくる英語を自分の中で再生して認知理解する習慣もつくようになります。同じ音源を繰り返し使う方法もありますが、暗唱(覚えて唱える)とは目的が違う学習ですので、どんどん新しい音源を消費しながら練習することが効果的です。水泳や楽器演奏の練習などと同じく、体得していく練習なので、毎日一定時間の練習を長い間続けていくと大きな効果が得られます。