回答
仮定法については、Kevinさんの説明が明確で詳しいですが、
英語の仮定法のポイントは、動詞の時制にあります。
つまり、英語で仮定の表現を表す役割は、if / whether などの接続詞だけでなく、実は動詞の時制が重要な役を担っています。
英語では、現実ではないが想定される・されたかもしれないことについて表す際には、現実の時制から1つ過去へずらすことで、それが現実ではなく想定されることであることを表します。
Kevinさんが示している仮定法を除いた文を使うとこうなります。
He caught the ball, and the inning was over.(仮定表現ではない単純な過去の事実)
これを仮定法(過去の時点でもし~だったなら)とするには、従属節となる文に if / whether をつけて、従属節と主文両方の時制を過去からひとつ過去へ、すなわち過去完了へずらします。
If he HAD CAUGHT the ball, the inning WOULD HAVE BEEN over.
これがご質問で出された文です。
ではこの元の文が現在の時点のことであれば、
He catches the ball, and the inning is over.(仮定表現ではない単純な現在または一般的な事実)となります。
これを仮定法(もし~であれば)とするには、従属節となる文に if / whether をつけて、従属節と主文両方の時制を現在からひとつ過去へ、すなわち過去へずらします。
If he CAUGHT the ball, the inning WOULD BE over.
この文は時制が過去形になっていますが、if 節があるので仮定法であることがわかりますので、「現在の時点」で現実ではないがもし~であれば、という想定のことを言っている、ということがわかります。(過去の時点のことを言っているのではありません。)
ここで、主文が the inning WAS over. になっていない理由として、
明らかにその文が仮定法であるとわかるように、be動詞をそのまま使わず、仮定の表現を表す助動詞 would を使うことが多いからです。
If he CAUGHT the ball (or if he made a catch), the inning WAS over.
と主文で単純な過去形を使うと、実際に過去のこととしてそれが起こったような誤解を与えるので、これを避けます。
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時制をひとつずらすことで現実ではなくそれが想定のこと(仮定)であることを表す用法は、日常的に非常に頻繁に使われます。
「確実な現実」という日本語が気になります。逆に、「確実でない現実」とはどういう現実でしょうか。哲学的、心理学的な話になってしまいそうです。
仮定法は、現実と異なることを話すときに使います。ここで仰りたいことは、「現実はそうではなかったのだけども、もし彼がボールを取っていたら、確実に、その回は終わっていた」ということで、よろしいでしょうか。
そうであれば、ご質問の文に「確実に」という副詞を付けるだけです。
surely, certainly, definitely, absolutely, undeniably, undoubtedly, unarguably, unquestionably, …
そうではなくて、現実として、「その回が終わった」と言いたいのであれば、仮定法を使いません。
He caught the ball, and the inning was over.
もし~していたら、(確実に)こうなっていた。
という意味を英語で文にするとすれば、その主文が if で「もし〜なら」という過程に基づいているということから、「(確実に)こうなっていた」の後には必ず「〜だろう」というニュアンスが付きますので、結果として仮定法の文となります。つまり、
If he had caught the ball, the inning would have been over.
という文が、「もし~していたら、(確実に)こうなっていた」ということをすでに表しています。「確実に」をはっきりさせるのであれば、仮定法はそのままで、副詞を添えて
If he had caught the ball, the inning would SURELY have been over.
などとするでしょう。
過去の事実として「確実にこうなった」ということを言うのであれば、実際に過去に起こったことを言うことになりますので、仮定法の文はふさわしくありません。