前置詞句はOにはなれない?
SVC構造でCになれるのは名詞か形容詞であると習いました。
ですから"I am in Kobe"の場合、in Kobeが前置詞句であるからSV構造になると習いました。
しかし、"He is from Japan." は from Japanが前置詞句であるものの、形容詞句としての働きを持ち、且つ形容詞句としての前置詞区はCになれると習いました。よって、"He is from Japan"はSVCであると。これはS = Cの関係も成り立ちますし理解できます。
では"The woman looked at him." はどうなのでしょうか?
lookは基本的に自動詞(他動詞としての使い方もあるとは思いますが)であることと、"at him"は前置詞句であることから、SV構造と考えています。
ただ、日本語訳だけで見てしまうと、"その女性は彼を見た"となり、"彼を"だけを見てしまうと、一見 目的語に見えてしまい、SVOと考えたくなります。
そこで下記のように整理したのですが、この考え方は正しいでしょうか?
「前置詞句は形容詞句と副詞句の働きしか持たず、名詞句にはならないため、Oにはなれない。なので、The woman looked at him.はSVOではなくSVである」
ご教示いただけますと幸いです。
回答
これは SV の第一文型です。
The woman looked at him.
この「look at」は句動詞 (phrasal verb) ではありません。確かに句動詞としての「look at」もありますが、それは元の「look」とは異なる意味を持っているものです。例えば、検査するようにじっと見る、よく検討する、しっかり読むのような意味です。
ご質問の文の場合は、普通の「見る」の意味です。
また、SVO の第三文型であるなら、受動態に出来るはずです。この場合、たまたま見ている対象が「him」なので、
He was looked at by the woman.
という受動態になりますが、見ている対象が生物でない場合は、受動態にすると意味が成り立ちません。
The woman looked at her bag.
The bag was looked at by the woman.
上の文は文法的に正しい受動態であっても、意味的に変ですし、このような表現を使うことはありません。
ご質問者がお書きになっていることが正しいです。前置詞句 (prepositional phrase) は、動詞または名詞を修飾します。動詞を修飾するときは、副詞句 (adverbial phrase) と呼ばれ、名詞を修飾するときは形容詞句 (adjectival phrases) と呼ばれます。