最上級でtheがつかない場合

最上級の形容詞に the をつける、と習いますが、これは間違いで、実際にはこの the は、その最上級の形容詞が飾っている「名詞」についています。これを理解しないと、この例で最上級の形容詞があるのに the がつかない理由が理解できません。長いですが以下説明します。

英語には冠詞と呼ばれる品詞のことばがあって、冠詞は名詞につけて使います。
a という冠詞は、それがつく名詞が、数えられるもので、どれでもいい１つのものごと、という意味を付けます。
the という冠詞は、それがつく名詞が数えられるかどうかに関わらず、そのものごとを表す名詞が前述であったり、唯一の存在であったりするという意味を付けます。
その名詞が数えられるものでない、唯一のものでない（複数の場合も含む）ようなときには、冠詞はつけません。

最上級の形容詞を名詞につけて、最も～なものごと、ということを言う場合は、最もという存在が唯一の存在であることを示すために、その名詞が数えられるものであるかどうかにかかわらず、the という冠詞を付けます。

名詞に冠詞をつけることと並んで、あるものごとを表す名詞について、誰のものか、ということを言うために人称代名詞の所有格（my, your, our, her, his, their）を使います。

I have <a> pen.
<The> pen I have is very good to write with.
<My> pen is expensive.

この例では、同じ１本のペンについて言っていますが、最初は＜漠然と特定のないある１本の = a＞ペンを持っていて、次に＜すでの述べたところのその = the＞ペンがとても書きやすく、その＜私の＞ペンは高価である、と言うふうに、冠詞や人称代名詞でそのものに唯一、前述、あるいは所有などのニュアンスをつけています。

あるものごとを表す名詞を人称代名詞の所有格で「私の」などというふに表す際に、そのものがすでに他のどれでもなく「私が持っているところの」という唯一特定があるので、ここにすでに冠詞 the が含まれている、と考えるのが自然です。ですので、the my pen と言う必要がなく、my pen と言えるわけです。

この理由から、最上級の形容詞＜ newest ＞で表されるものごとである名詞＜ line＞に人称代名詞の所有格＜our ＞による限定がある場合、そこに既に冠詞 the がすでに含まれているので不要になるわけです。