関係代名詞、制限用法のwhichとthat
制限用法の関係代名詞について教えて下さい。Try to wear clothes which match the colors of nature. という英文ですが、あるアメリカ人に添削してもらったらwhichをthatと訂正されました。Try to wear clothes that match the colors of nature.とすべきと。学生時代に制限用法はthat, which同じように使えると習いました、whichは使えないのですか。よろしくお願いします。
回答
無登録さん、フォローアップをありがとうございます。必須のことか、それとも付帯の事実なのかというのは、ちょうど関係代名詞の制限用法と非制限用法のことですよね。
英語では関係代名詞の後に続く節を指して、 「restrictive clause」と「nonrestrictive clause」と言います。別名で、「essential clause」、「nonessential clause」と呼ばれることがあります。場合によっては後者の呼び名の方が、分かりやすいような気がします。
制限用法 (restrictive/essential)
Try to wear clothes that match the colors of nature.
非制限用法 (nonrestrictive/nonessential)
I rescued an old cat, which happend to be my neighbour's.
非制限用法では、物を指す関係代名詞は「which」です。「that」は使いません。そして「which」の前にコンマを入れるというのが、正式な文を書くときのルールです。
しかしこのコンマは、口頭で話すときには、もちろん打つことができません。それに合わせて、書くときにも、コンマを使わないで書くことがあります。
I rescued an old cat which happend to be my neighbour's.
さて、ご質問にある制限用法についてですが、なぜ「that」なのか、「which」だと変なのか、調べてみました。
文法的には「that」でも「which」でも良いとなっています。質問者の方がお書きになっている通りです。しかし実際には、「that」しか使っていません。
American Psychological Association (APA) という団体があって、心理学だけでなく、社会科学系の論文や記事を書くときのスタイルを定めています。国際的に、広く使われているスタイルです。
その APA によると、「制限用法には that が好ましい」のだそうです。
Although both "which" and "that" are grammatically correct in restrictive clauses, APA prefers "that" for restrictive clauses. See APA 7, Sections 4.19-4.21 for more information on this topic.
(https://academicguides.waldenu.edu/writingcenter/grammar/clauses)
その理由は、私が勝手に想像するに、制限用法には「that」、非制限用法には「which」と使い分けた方が、口頭で話すときに実用的で、効果的に伝えられるからではないでしょうか。先に書きましたように、口頭ではコンマを打つことは出来ませんから。
文法は、偉い学者が決めて「このように使いなさい」と一般人に押し付けるもの (prescriptive) ではなくて、その言語を使う人たちが、普段どのように使っているかをまとめたもの (descriptive) です。
言葉は時代とともにどんどん変化していきます。文法もそれに合わせて更新されないといけないのですが、中には変化についていっていない部分もあります。そのため、一見、文法的な間違いでも、今の時代では、スタイルの違いと解釈して構わないこともよくあります。例えば「wait for」の代わりに「wait on」、「different from」の代わりに「different than」など。
この辺りは、日本の学校の先生からは教えてもらえないと思います。
Kevinさんのお答えに被せて失礼します。
関係代名詞で that を使うか which を使うかは、その後に言うことがその文の内容として必須のことかそうでないか、ということで区別されていると認識しています。
Try to wear clothes which match the colors of nature.
が変に聞こえるのは、which 以下は内容的に必須でないとして match the colours of nature ということを抜かして try to wear clothes だけ言うとその文の意味が欠けてしまうように聞こえるからだと思います。
which を関係代名詞として使う場合は、その後の節の部分は「ちなみに」程度の内容という感じになるので、主文だけでも意味は通るという場合になると思います。
I rescued an old cat which happend to be my neighbour's.
この場合 I rescued an old cat. という主文だけでも文の意味としては通りますが、言いたいこととして付帯の事実(ちなみにそのねこはたまたま近所の人のものだった)ということを述べるのに、which をつかってつなげている、ということです。
日本で使われている文法書などでそのように解説されているかどうかは定かではないのですが、私の認識としてはこれで納得しています。