回答
動詞 invade の語源は、ラテン語の invādere で、それは現代の英語でいう in と wade から成り立っています。つまり、invade には、in (中に) という意味合いが、すでに含まれています。そのため、その後に in や into を付けるのは、重複して変です。日本語の「頭痛が痛い」のような感じです。
また、to は向かう先を表します。つまり、主体がまだ内部 (inside) にいないときに使います。invade の場合、主体が内部にいることを表現していますから、to は使えません。
よって、invade の名詞形 invasion にも、in, into, to は使えません。
ただし、ネイティブの人たち全員が、正しく使っているわけではありません。間違って使うこともあります。それは、日本人でも変な日本語を使うことがあるのと同じです。
invade という動詞は、通常は他動詞(〜を侵略する)として使われます。つまり、前置詞などなしに、侵略を受けるものがそのまま目的語としてつながります。
この場合、侵略する方向や角度などは関係なく、ある土地、地域、国家、人々などが侵略される、ということを言っています。
このニュアンスでウクライナを侵略する、という場合には
× invade to Ukraine
× invade into Ukraine
とは言わず、
◯ invade Ukraine
と言います。
このニュアンスでの動詞 invade を名詞にすると invasion of Ukraine となります。
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invade という動詞は、自動詞として「侵入する」という意味でも使うことができます。この場合は方向や角度などのニュアンスを添える前置詞を置いてから
invade into Ukraine(to はあまり聞きません)
ということができますので、
このニュアンスであれば
invasion into Ukraine
ということができます。
現在起こっていることを、侵略であるというニュアンスで言われる時には、
前者の他動詞のほうになるので、
invasion of Ukraine
が合っていることになります。