回答
とても良い質問です。個人的に一番好きな類の質問です。文法的な根拠はありません。音楽です。これを文字で説明するのはすごく難しいですが、トライしてみます。
日本語は「ん」以外、各文字に母音が付いています。それに対し英語は、子音が連なることがよくあり、多くの日本人が苦手とするところです。
I'm through with romance.
"m" と "th" の間に母音はなく、日本語の「ム」の音はありません。"through" は一音節で、「ス」の音はありません。"with" も一音節で、「ズ」の音はありません。これを歌うとき、特にカントリーのジャンルで、母音を意図的に追加して、メロディーに変化を加えることがあります。英語の発音というより、その歌手のスタイルです。
歌ってみてください。
(1) I--m through with ro--mance
(2) I-ma through with ro--mance
ご質問に書かれてある表記と異なりますが、説明上、こう書かせてもらっています。(1) の "I--m" は付点四分音符で、(2) の "I-ma" は四分音符プラス八分音符です。カントリーっぽい感じがします。音楽家はこういう変化を、さりげなく加えます。一番の歌詞、二番の歌詞、三番の歌詞のメロディーがまったく同じではつまらないので、二番、三番は少し変化させながら演奏します。
一番の歌詞で、同じ旋律の部分はこうなっています。
There goes my ba--by-- with someone new--
二番の歌詞で、少しだけ変えます。
I-ma through with ro--mance, I-ma through with lo--ve
お分かりになりますでしょうか。試しに幾つか聴いてみましたが、Simon & Garfunkel は普通に "I--m" と歌って、他のところを大いに工夫していました。
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