回答
文法的には直接的な現象を指しつつ、ゲーム中では比喩的に使われているのではないでしょうか。
小島監督自身が語っているインタービューがあったので、以下に引用しておきます。
ーーーーーーーーーー
イルカやクジラ,アシカなどが大量に座礁することを「Mass Stranding」(マスストランディング)と言います。それで,生きている状態がライブ ストランディング,死んでいる状態がデス ストランディングです。アザラシのタマちゃんなんかも,ある種のストランディングですね。
タイトルの意味は,ある世界から何かが座礁してくる,何回も来る,というのを暗示しています。
またストランドには,心理学用語で「より糸」「絆」という意味もあって,このカイルさん(カイル・クーパー氏)に作ってもらったロゴも,垂れているのは血ではなく,つながっているものです。
ムービーではカニとかクジラ,ノーマンや子供がコードみたいなものでつながっていましたよね。世界観と物語,ゲーム性が全部つながる……ストランドがテーマになっています。
僕は安部公房のファンで,(彼の作品に)「なわ」という短編小説があるんですが,ここである定義がされているんですよ。人類が最初に発明した道具は棒で,自分に敵対するもの遠ざける特性をもったものであると。その次に人類が発明したのは縄で,これは逆に自分がつなぎとめたいものを引き付けて縛るものであると。そして,今も棒と縄という道具を,人類は使っています。
よくよく考えてみると,今のゲームはオンラインでマルチプレイやCo-opなどができますが,これは棒なんですよ。人を殴ったりすることでコミュニケーションがなされている。DEATH STRANDINGは,その次に行こうとしています。当然,棒も出てきますが,ゲームをしながら,縄的な思考でつながるんです。それはストーリーも世界観も,ユーザー同士も,あるいはプレイを見せる実況者なども含めて,全部ストランドします。
https://www.4gamer.net/games/346/G034618/20160616073/
ーーーーーーーーーー
また、先日、押井守監督が、DEATH STRANDINGについて語っている動画もアップされてましたね。
ーーーーーーーーーー
およそ5分の動画のなかでビジュアルや世界という方向から切り出した押井は、ゲームという形式から考えると多くのゲームが根幹に据える戦闘をメインにしなかったことを「大きな賭けだったと思う」と表現。それを理由に『DEATH STRANDING』を小島の仕事のなかでもっとも本質的、密度が高そうと形容した。また、「こういうものを作ってほしいけど、同時に長生きもしてほしい」と笑みをこぼす場面も。
https://jp.ign.com/death-stranding/39798/news/death-stranding
ーーーーーーーーーー